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ペーパークラフト設計・製作

JグランドEX誌付録 10式戦車 組立解説AFV


 JグランドEX誌NO.13の綴込付録「10式戦車」の組立方法について詳しくご案内します。
 今回の型紙は、砲塔の旋回や砲身の上下などもあって複雑な部分もあります。詳しく説明していきますので、どうぞ完成までお付き合いください。

【注】 くれぐれもカーターナイフなどでケガをしないよう、十分にご注意ください。

目次

     

組立説明本文

■道具及び組立の準備

 まずは道具です。参考までに私が普段ペーパークラフトの組立に使用している道具をご紹介します。

 ① ハサミ:刃先が薄く細めのものが適します(写真は刃物のまち関市のメーカー製)。
 ② カッター:私の場合ほとんど使用しませんが、直線は定規と組み合わせると切りやすいです。
 ③ 定規:紙に折り目をつけたり直線をカッターで切る際に使用します。
  ※カッターと併用する場合、金属製でなく樹脂製で厚めの定規にしましょう(安全面)。
 ④ 書けないボールペン:紙に折り目をつけます。0.5よりは0.7mmの方がおすすめです。
 ⑤、⑥ 紙の断面を着色するためのペン:今回はこの2本しか使用していません。
 ※⑤は呉竹のカラー筆ペンで、水性顔料インクで滲まず最高です(ただし単品入手に難)。
 ※⑥は呉竹のうす墨&黒の筆ペンです。ちなみに作例ではコピックのC5を使いました。
 ⑦ ピンセット:必須です。これが無いと細かい部品は組めません。
 ⑧ 耳かき:接着時に手の入りにくいところを押さえるのに用います(他で代替可)。
 ⑨ 接着剤:木工用の速乾タイプ(含有水分が少なめで紙がふやけにくい)がお勧めです。
 ほかに写真に写っているカッターマットのほか、ルーペなどがあると良いでしょう。
▲今回、紙の断面の着色には、このコピックを使いました。インクが紙に染み込みやすいため、ペーパークラフトの種類によっては向きませんが、逆に汚し的な効果も得られますし、狭い紙の切り口にもインクが浸透するので、戦車には向くと思います。
 色は、戦車の色と同じにする必要はなく、あくまで紙の白色が目立たないようにするためなので、グレー1色のみで十分に足りると思います(今回の完成サンプルはこれ1本だけ使いました)。

▼下の画像は部品を切り取った後の紙の余白を菱形に切ったもので、接着剤を塗布するためのヘラとして用います。大量につくってどんどん使い捨てします。


▼下の画像は折り線を書けないボールペンなどの尖ったものでなぞる作業です。とにかくきっちり折って少しずつ接着していくことがポイントです。


▼下の画像は筆ペンで紙の断面を着色するときの注意ですが、ペン先は、必ず紙の裏側から近づけるようにし、紙の表面(印刷面)から近づけないようにします。




■車体の組立


 まずは車体上部の組立です。ターレットリングの穴は、忘れず切り抜いておきましょう。
 円形の切り抜き時には、カッターは少しずつ真っ直ぐに動かし、紙の方を回転させるのがコツです(下の画像はカメラを固定した状態で撮影、別の戦車の例ですが方法は同じです。)。

 組み立て後も裏面が見える部分にも着色します。あくまで紙の白色が目立たないようにすれば良いので、グレー1色でも十分でしょう。
 折り線は、書けないボールペンで折り目をつけていていても、それでも細かい部分は折りにくいので、ピンセットで折り曲げると良いでしょう。

 ピンセットで挟みにくいと感じた場所は、裏側からピンセットを当てるなど工夫してください。

 ノリ代は小さいので、接着剤の塗布には、余った紙で作ったヘラを用います。




 一度に多くのノリ代を接着しようとせず、少しずつ進めます。接着のときに指の入りにくい部分は、ピンセットで押さえます。






 部品2の車体後部を接着します。



 部品3を組み立てます。最初に全ての折り線を折り、形を整えてから接着します。


 部品3を車体に接着します。ノリ代の「●」マークが無いところは接着せず隙間に差し込みます(接着剤を塗布すると引っかかって隙間の奥に差し込みにくくなってしまいます)。




 部品4、5の方向指示器(ウインカー)は選択部品です(細かいので付けなくても可)。使う場合は、まず折り線が見えにくいので切り離す前に折りスジをつけ、裏面を着色します。


 接着位置は表記していないので、本体側に描いてある方向指示器の絵を隠すように接着します。


 車体上部ができあがりました。


 次に足回りです。


 これまでどおり、先に折り線を折って形状を整えつつ、紙の断面を着色します。


     

 順に沿って組み立てていきます。






 後部の履帯も接着します。



 以上で車体上部の部品が組み上がりましたが、この段階ではまだ車体上部と足回りは接着しません。



■砲身の組立

 砲身は意外と細く、綺麗に丸めるのが難しいと感じられるかもしれませんが、予備部品もご用意しておりますので頑張ってください。
 まず組立て(丸める)前に着色します(砲口部から白色が見えないようにします)。

 砲身を丸めるには、定規など真っ直ぐで硬いものを押し当ててスライドさせます。


 大まかに丸まったら、さらに端から丁寧に細く丸めていきます。
 動画もご用意しましたのでご覧ください。

 しっかり丸まったら、接着剤を塗布して接着します。



 ピンセットは、このような場合も接着時の押さえに便利です。



 以上で砲身が組み上がりました。



■砲塔の組立~完成

 まずリアバスケットを組み立てます。


 次に砲塔の基部です。とにかく形状が複雑でノリ代が多いです(予備部品をご用意しました)。焦らずひとつずつノリ代を接着していきます(ヘラとピンセット必須)。


 完成した砲塔基部を裏側から見た状態です。この部品の組立が難しい場合には、簡易版の砲塔を選択されることをお勧めします。

 ■簡易版砲塔については、こちらをクリックしてください。

 砲尾の形状を整えます。




 砲身と砲尾を連結します。まずは砲尾の先端に接着剤をしっかり塗布するか、あるいは写真のように砲身内に接着剤を注入します。



 砲尾を差し込む際は、砲尾の下側と砲身の下側(接着線)が一致するようにしましょう。  


 砲塔の内側を組み立てていきます。




 部品15を部品14に接着します。接着前にどことどこを接着するかよく確かめてから接着剤を塗布しましょう。







 最後に一番下のノリ代を接着して砲塔の内側が出来上がりです。



 砲塔の外側を組み立てます。







 砲塔の外側と内側を接着しますが、何しろノリ代が多いので、まず接着剤をつけずに仮済みをして、出来上がりの状態を良く把握しましょう。



 先に最も面積の広いノリ代を接着して位置決めをし、周辺部はヘラを使って接着剤を塗布しつつ、少しずつ進めていきます。






 砲塔の外側と内側を接着した状態です。



 ターレットリングを組み立てます。先に内側(縦に長い方)を組み立て、外側は内側との摩擦が強すぎたり緩すぎないことを確認してから接着しましょう(内側と外側がくっつかないように注意してください)。



 ターレットリングを砲塔と車体に取り付けて、うまく取り付けられるか確認しておきます。






 次に砲身と砲身基部を取り付けて砲塔に差し込みます。






 次に、砲塔に取り付ける各種装備を組み立てていきます。

 部品20は組立後に露出する裏面を着色しておきます。



 順次組み立てていきます。













 組み立てた各種装備品を砲塔に取り付けていきます。




 無線アンテナは、最後に取り付けます。もし選択部品の28と29を取り付ける場合は後回しにします。




 選択部品です(細かいので組み立てなくても可)。部品28と29は、砲塔側に描かれた絵を隠すように接着します。


 砲塔に接着する際には、ノリ代が無いので、紙の断面に接着剤を塗布します

 部品30はさらに細かいです。中央で折って貼り合わせたら、紙の断面に接着剤を塗布します。

 砲身先端の右真横に接着します。

 これで砲塔が完成しました。あともう少しです。

 車体の上部と足回りを接着します。

 部品31の車体下部を組み立てます。





 車体下部を車体上部に組みつけます。





 これで戦車は完成です!残りは乗員だけです。

 乗員も折り線が見えにくいので、切り離し前に折りスジを付けておきましょう。



 乗員を配置する場合、単に置くか、仮どめ用の接着剤(例:写真)で取り付けると、後から外したりして様々なシーンを楽しむことができます。

 操縦手は、少し砲塔を浮かせてから取り付けます。操縦手は砲塔を正面に向けた状態の時にだけ使います。



 これでついに完成です!おつかれさまでした。

 飾り付け例。
 当HPの無料ダウンロードページにて公開しています(まだ地面しかありませんが、近日中に追加予定です)。世界最高水準の戦車を格好良くディスプレイしましょう!

 ▼画像をクリックしていただくとダウンロードのページが開きます。



■簡易版砲塔の組立~完成

 こちらは簡易版砲塔です。

 砲塔の両側面を組み立てます。その前に、砲身の穴を忘れずに切り抜いておきましょう。





 砲身に砲尾を差し込みます(接着剤をしっかり使います。乾くまでしばらく待ちましょう)。



 砲尾を差し込む際は、砲尾の下側と砲身の下側(接着線)が一致するようにしましょう(写真はリアル版の砲尾ですが、考え方は同じです)。


 砲身を差し込んでリアバスケットとターレットリング(部品36の簡易版砲塔船用)を取り付けます。







 この状態で一応完成とすることも可能です。でもちょっと寂しいという場合は、各種装備を取り付けていきましょう。


 各種装備を組み立てます。


 部品20は組立後に露出する裏面を着色しておきます。



 順次組み立てていきます。











 各種装備を砲塔に取り付けます。


 これで簡易版砲塔は完成です!残りは乗員のみです。


 乗員も折り線が見えにくいので、切り離し前に折りスジを付けておきましょう。



 乗員を配置する場合、単に置くか、仮どめ用の接着剤(例:写真)で取り付けると、後から外したりして様々なシーンを楽しむことができます。

 操縦手は、少し砲塔を浮かせてから取り付けます。操縦手は砲塔を正面に向けた状態の時にだけ使います。



 これでついに完成です!おつかれさまでした。

 飾り付け例。
 当HPの無料ダウンロードページにて公開しています(まだ地面しかありませんが、近日中に追加予定です)。世界最高水準の戦車を格好良くディスプレイしましょう!

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紙乃製作所

■活動内容
 ペーパークラフトの設計・製作及びその請負

■代表
 ハルト(Hiroaki Kawamura)
■連絡先
 haruto@kamino-ss.jp